研究内容

生物制御化学研究室は,生物の成長や発達,生体防御に関わる低分子有機化合物に関する研究を行っています.戸嶋浩明教授は有用な生理活性物質の合成研究,長谷川守文教授は植物の防御物質に関する生物有機化学的研究を中心に行っています.

主な研究テーマ

花芽誘導活性を有する脂肪酸(KODA)による植物の生理機能制御(戸嶋)

KODA は植物が生産する単純な構造の脂肪酸の一種ですが,花芽誘導活性をはじめとしていくつかの植物ホルモン様の作用が知られています.このような生物現象に関わる分子の構造を安定化した誘導体を合成し,農業生産等に役立つ化学調節剤等への応用を目指しています.さらに,科学構造を修飾することにより KODA が植物胎内でどのように情報伝達し,どのような役目を担っているのかを解明することも目指しています.

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生理活性ジテルペノイドの合成研究(戸嶋)

生物体内で生合成され生理活性を示す多環性ジテルペノイドには植物生長促進ホルモンとして知られるジベレリンやファイトアレキシンであるモミラクトン,オリザレキシンなどがあげられます.当研究室ではそのようなジテルペノイドの化学合成を行い,ジテルペノイド生合成機構の解明や天然物とは異なる構造を持った新たな生理活性ジテルペノイドの創生などを目指しています.

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フィトアレキシンに関する研究(長谷川)

フィトアレキシン(ファイトアレキシン)とは植物が病原菌の感染を受けたときに作る抗菌活性物質です.当研究室ではイネのフィトアレキシンについての物質レベルの研究を長年続けており,1983 年のオリザレキシン A, B, C の発見の報告以来,多くの研究成果を発表しています.現在は,イネフィトアレキシンの病原微生物による解毒代謝に関する研究やイネの根の生産するフィトアレキシンの研究などを中心に行っています.また,イネだけではなく,ホウレンソウなど他の植物のフィトアレキシンに関する研究にも取り組んでいます.

イネのフィトアレキシンについてはこちらのページもご覧ください.

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